秋の講座のお知らせです。

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秋の講座のお知らせです。

 2017年の秋です。夏の洪水や長雨、そして数々の地震。
末世とは言いませんが、さながら不安な毎日です。

 それに連日メディアを賑わせている不倫騒動、政策費の不透明な使われ方。
ほんとに「芸能ネタ」「政治ネタ」は尽きることなく吐き出され、
かと思うと、北朝鮮のロケット発射とマスメディアのはしゃぎぶり。
ヘイトスピーチは止むことなく、ブラック企業は〝当たり前〟化する。

 そんな毎日に、疲れてなりません。
もっと「心」を落ち着けるものがほしい。
そんなことばかり思う日々です。

 西脇順三郎の詩に「秋」という詩があります。
  タイフーンの吹いている朝
  近所の店へ行って
  あの黄色い外国製の鉛筆を買った
  扇のように軽い鉛筆だ
  あのやわらかい木
  けずった木屑を燃やすと
  バラモンのにおいがする
  門をとじて思うのだ
  明日はもう秋だ

 シュールレアリストの西脇順三郎としては、
 ずいぶん抒情的な詩を書いたものですが、
 思うに「秋」とは、
だれもがそんな情感をとらわれるものなのかもしれません。
 

 秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる

 『古今集』にある藤原敏行の和歌です。
この和歌はよく知られているものですが、
こうして口ずさんでみると「秋」がさわさわと
肌に触れてくるような、そんな印象です。
 

 よく最近本を読まなくなったという声を耳にします。
どうでもいい「政治ネタ」や「芸能ネタ」ばかりが大手を振るい、
口からつばを飛ばして喋りまくる大学教授や
中身のないことをさらけ出さないように、したり顔で弁ずる評論家が目につきます。
 そんななか静かに文化を語る。芸術の感動に身を浸す。
 文学作品に深遠に打たれる。
そんなことはついぞかえりみられない。寂しいことです。

 そんなんで前置きは長くなったのですが、秋の講座のお知らせです。
 秋は9月28日(木曜日19時半~)の講座と10月28日(土曜日午前10時20分~)の講座の二講座を開講します。


なお10月28日からの講座は第2講目からは開始は13時20分に変更されます。


 テーマはともに近現代史ですが、9月からの講座は「〝戦争〟と青い絵具」というタイトルで、困難な時代に絵描きとして表現に生きた人びとと「国家」「戦争」について考えます。
 10月からの講座は「屈せざる者たち」というタイトルで、強権に対峙して敗れざる人びとの群像について考えます。詳細は以下の通りです。よろしくご参加ください。
 講座申し込みは、E-mail  shinjunkaikouza@gmail.com
             もしくはわたし宛(yagashiwa@hotmail.com)にお願いします。
 

*****NPO新人会・宏究学舎主催 日本近現代史講座*****
 ◆◇絵から読み解く近代日本の「精神史」!◇◆
 〝戦争〟と青い絵具~「戦争の時代」に生きた画家たち~
*期間:2017年9月28日<初講>~11月30日(全6講)
*曜日・時間:隔週木曜日<午後7時30分~9時>
*定員-20名:受講料-9000円(全6回分)
*会場:としま産業振興プラザIKE・Biz
     豊島区西池袋2-37-4(JR池袋南口徒歩4分)
        http://www.toshima-plaza.jp
【講座内容】 頭上に重くたちこめる鈍色の空。時代は軽薄な狂騒に賑わいを見せているだけで、足下の地核は動揺し液状化した不気味な泡を立てている。近代の日本が「戦争の世紀」にさしかかって突き進んで行ったありさまは、まさにそんな時代の〝光景〟が拡がっていたのではないか。そして、いまわたしたちが見ている〝光景〟も、それとどれほどの懸隔があるのでしょうか。
 ところで、そうした茶色の〝戦争〟の時代のなか、画家たちの多くは、自らの純粋な生命を懸け、ひたむきに画業に向かい、表現の極限を見ようとしました。印象派、キュビズム、フォービズムなど西欧絵画のモードmode。あるいは艶と余白で織りなされる日本絵画の美。この講座では7人の画家とその「戦争の世紀」を考えます。絵を見て感性が磨かれる喜び。そして歴史の深みを見つめ直す楽しみ。学ぶ意味を再確認したいと思います。

第1講(9月28日)黒田清隆の気風~外光と近代国家
第2講(10月5日)菱田春草の悲情~〝余白〟が生む「実存」
第3講(10月12日)上村松園の美~〝清澄〟であり〝艶麗〟
第4講(10月26日)竹久夢二の夢~〝浪漫〟と〝彷徨〟
第5講(11月16日)松本竣介と野田英夫の闘い
第6講(11月30日)香月泰男と凍土~収容所と青い絵具

*「講外講」(10月21日・自由参加)<足尾銅山と渡良瀬遊水池への旅>*詳細は後日お知らせします。

***********お問い合わせ・お申し込み**************
NPO新人会 E-mail:shinjinkaikouza@gmail.com*詳細は下記のブログで。
講師:八柏龍紀 E-mail yagashiwa@hotmail.comブログ:http://blog.goo.ne.jp/yagashiwa 

◆◇人物から読み解く近代日本の「精神史」!◇◆
 〝屈せざる者たち〟~日本近現代史で屹立した不屈の群像~
*期間:2017年10月28日<初講>~12月16日(全6講)
*曜日・時間:隔週土曜日<原則:午後1時20分~15時>
         cf)初講日のみ午前10時20分~12時
*定員-30名:受講料ー9000円(全6回分)
*会場:としま産業振興プラザIKE・Biz(同上)            
【講座内容】 明治維新からまさに150年。その間の日本は、西欧列強に追いつけ追い越せの勢いそのままに安普請の「国民国家」を作り上げてしまいました。当然それは日本社会に大きな矛盾と格差を生み、さらに効率性を急ぐあまり、「人間」という眼差しを大きく欠いた社会を現前させました。そして昭和期になると何度かの経済矛盾の末に、いつしか「夜郎自大的」な軍国主義の道を猛スピードで進み、それに敗れると反省もないままに今度は安易に民主主義国家の自画像を受け容れました。はたして日本の近代とは何か?これまで講座では、為政者側から見た〝国家〟像を考えてきましたが、今回はそれに対峙し、けっして屈することのなかった人びとを考え、その意味をしっかりと論考します。

第1講:田中正造と足尾鉱毒事件~強権への対峙
第2講:伊藤野枝と大杉栄~シャドーワークと自由
第3講:山本宣治と小林多喜二~孤塁を守る精神
第4講:河上肇と斎藤隆夫~文筆と演説。伝える精神
第5講:金子文子と山川菊栄~差別と慈愛の間で
第6講:清沢洌とむのたけじ~屈しない、持続する意志

*「講外講」(10月21日・自由参加)<足尾銅山と渡良瀬遊水池への旅>*詳細は後お知らせします。
*お問い合わせ・お申し込みは上記と同じです。